バショウカズラ(Passiflora caerulea / トケイソウなど)の詳細解説
バショウカズラ(園芸界では学名の「パッシフローラ」や、日本でお馴染みの「トケイソウ(時計草)」という大変面白い名前で広く世界中で深く愛されています)は、熱帯アメリカ原産の非常にエキゾチックな「つる性植物(多年草)」です。初夏から秋にかけて、つるの先から、名前の通り「時計の文字盤と針」そっくりの、非常に精巧で芸術的な美しい大輪の五弁花を咲かせます。紫、白、青などのエキゾチックな「複色(バイカラー)」のリング状のコロナ(副花冠)が最大の特徴。お庭を一瞬で南国風のトロピカルガーデンに変える、大人気の上品なつる草です。
■ 植物プロフィール
| 項目 | 内容 | | :— | :— | | 学名 / 科名 | Passiflora caerulea / トケイソウ科トケイソウ属 | | 分類 | つる性宿根草(多年草 / 落葉〜常緑つる植物) | | 開花期 | 6月〜9月(真夏の太陽の下から秋口まで絶え間なく時計を咲かせる) | | 花色 | 白地に青や紫色のエキゾチックなグラデーション(複色) | | 耐性 | 暑さと乾燥に極めて強く、トケイソウの仲間では群を抜く耐寒性を持つ |
■ カテゴリー別・育て方の詳細
1. 栽培環境(日向・耐暑性)
美しい時計の大輪をたくさん咲かせるためには、一日中遮るもののない、最高の太陽が当たる「日向」に植え付けることが絶対条件です。熱帯原産のため夏の「耐暑性」と「耐乾性」は無敵。さらに、このバショウカズラ(カエルレア系)はトケイソウの仲間としては異例の非常に強い「耐寒性」を持っており、南関東以西の平地であれば、特別な防寒なしで屋外のフェンスに絡ませたまま楽に冬を越す(「宿根草」)ことができます。
2. 栽培スタイル(壁面緑化・エディブルフラワー)
- 壁面緑化: ツルから巻きひげを伸ばして、フェンスやネット、格子戸にがっちりと絡みついて数メートルもグングン伸びるため、真夏の強い日差しを遮るお洒落な「グリーンカーテン」や「壁面緑化」として大活躍します。
- エディブル(パッションフルーツの仲間): 実はハワイや南国のお土産で有名な甘酸っぱくてジューシーな南国フルーツ「パッションフルーツ」は、このバショウカズラの仲間(クダモノトケイソウ)です。本種の実も熟すとオレンジ色になり、中のタネの周りはほんのり甘い「エディブルフラワー(果実)」の恵みを楽しめます。
3. 水やりと肥料のタイミング(初心者向け)
- 水やり: 土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。根が非常にたくましく張るため、乾燥にはかなり強いです。地植えの場合は根付いた後は完全雨水のみで放任栽培が可能です。
- 肥料: 花を次々とたくさん咲かせるため肥料が大好きです。春の成長期(5月)と初夏に、株元に緩効性化成肥料を少量パラパラと施す程度で、秋の終わりまでエネルギーを切らさずに次々と美しい時計のミステリーをボタン一つでコピーするように楽しめます。
■ 咲くナビ・プロの知恵:世界の歴史「キリストの受難(パッション)」を表す神聖な花
- 名前のロマン: 英語名の「パッションフラワー」のパッションとは、恋の情熱ではなく「キリストの受難(苦難)」を意味します。16世紀に南米に渡ったキリスト教の宣教師たちがこの花を発見した際、中央の3つの雌しべを「キリストの手足に打たれた3本の釘」、周囲の糸状の副花冠を「茨の冠」に見立て、神の教えを広めるための神聖な花として世界に紹介したという、非常に深い歴史を持っています。
■ 花言葉とメッセージ
- 花言葉: 「聖なる愛」「宗教心」「信仰」「信じる心」「あやまり」
- 由来: 世界中の人々が思わず神の設計の神秘を信じてしまうほど、一点の狂いもなく精巧で美しい「時計の文字盤(茨の冠)」を空中に描き出す、ミステリアスで高貴な姿から捧げられました。